病から身を守ろうとする秘められた力

自然は無意識下に自己を守り回復させようとする力を常に発揮させています(一部の例外を除きます)。

この力は植物でも動物でも人間でも地球でも生命あるものは全て同様です。

病気になりにくい…病気やケガ後も回復が早い…環境の変化に強い…若く見られる…

何も特別な人に特別に備わった能力ではありません。

人の身体には自然治癒力という病から身を守り病から治ろうとする力が秘められています。

自然治癒力は回復(自己再生機能)と免疫(自己防衛機能)と恒常性(ホメオスタシス)で構成されています。

それらは連携して作用しています。

その能力に応じて健康や見た目の若さに差が出てくるようです。

病を医するは自然なり

『自然治癒力を崇めよ(病を医するは自然なり)』

医療の父と呼ばれるヒポクラテスの言葉です。約2500年前の言葉であり目新しいものではありません。

しかし今なお強い力をもっています。

治療家は良心的に守り抜くべき言葉だと思います。

健康法としての食事(栄養学)や睡眠や運動、ストレス解消、呼吸法、柔軟性維持、体液循環促通など…

数ある健康法のほとんどは自然治癒力を高めることにつながっています。

流れている水は腐りません

「流水不腐」(呂氏春秋)  

流れている水は腐りませんが行き場を失った水はすぐに腐敗します。

自然治癒力を高める根源は「毛細血管を維持させ血行の流れをよくする」ことにあります。

つまり「体液の流れをよくする」ことです。

人の身体は約60兆個と言われる細胞の塊です。

体液はこの細胞の免疫力を高めつつ栄養と酸素を送り老廃物や二酸化炭素を引き取ります。

細胞1つ1つを元気に輝かせることが未病や若々しさのポイントに繋がります。

水や食事にこだわろうが高額な健康食品に頼ろうが運搬する川が滞っていたら意味がないと思いませんか?

留まることのない流れが必要です。

自然の治療家

「動脈血は自然の治療家」との言葉があります。

動脈血が毛細血管を介して全ての組織、器官の末端までスムーズに到達できれば人は自然に回復していくという話です。

基本は全ての体液の循環が必要と考えます。

一部ですが、

血液:体の隅々まで酸素、二酸化炭素、栄養素、ホルモン、老廃物などを運搬する。感染防御や免疫の働きをもつ

リンパ液:老廃物や疲労物質を運搬し排出する。ウイルス/細菌/がん細胞などから身を守る免疫の働きをもつ。

脳脊髄液:脳と脊髄の保護。免疫力や治癒力の維持。自律神経を整える。

関節液:関節がスムーズに動くように潤滑油の働きをする。

体液は絶えず悪いところや傷んだところを修復します。

病気予防に留まらず痛み、痺れ、だるさなどの自覚症状も緩和させていきます。

四肢/体幹=内臓

『身体に加えられた刺激は内臓に影響を与え、内臓の異常は身体に出る』と言われています。

腹部の自律神経の中枢は腹腔神経節であり第1腰椎の高さでみぞおちと臍の間にあります。

腹腔内に異常が出るといずれの疾患であれ初発の痛みは必ずこの位置に現れます。

身体は第二の骨格と言われる筋筋膜に全身を覆われています。例えるとウェットスーツです。

その全身を覆うウェットスーツが、自分より一回り小さいサイズを着ていると想像してみて下さい。

途端に四肢の動きは制限され姿勢は崩れ内臓の動きが制限されます。

内臓の体液を停滞させ自律神経や内臓の不調、便秘、腸内環境の悪化などを引き起こします。

全身の筋筋膜を緩め骨関節形を整えることにより、手足の動きの幅を拡大させ内臓の働きを正常化させ病気になりにくい体をつくっていくことができます。